車を売るときは、把握している不具合は全て伝えましょう。
車の不具合を隠して売ることで、売却後のトラブルやクレームを引き寄せてしまうこともあります。

それでは結局、得をするどころか損をしてしまいます。
より良い取引をするためには、車の状態を正直に伝え、多くの買取業者に査定を依頼することが必要です。
その理由と具体的な進め方について、この記事で解説します。
車を売る際に不具合を言わないと損をする

実際に査定を受けているところ
先に結論からお伝えすると、自分が認識している不具合は車を売る際に全て伝えましょう。

黙っていればバレないんじゃ…
と思うかもしれませんが、何百何千と査定してきているプロ相手には全てバレています。
また最近の査定はタブレットを使うことが多く、チェック項目が本部から細かく指示されているのです。
実際に筆者が車査定の際にプロに聞いたところ「大体の不具合はわかります」と回答されました。
実は不具合自体はあまり大きなマイナスになることはなく、それ以上に「ウソをついている」というポイントがマイナスになります。

この人は不誠実だな、きっと他にも不具合があるに違いない
査定をする人もプロなので、不信感を抱いたら「疑わしきは罰する」の精神で査定を行います。
そのためいつもよりもチェックが厳しくなり、結果として「不具合があるかもしれない」という視点で査定をされます。
この状態ではプラス査定は絶望的なので、車を売る際に不具合を言わないのはおすすめできません。
自分がわかる範囲で構いませんので、誠実に受け答えをするようにしましょう。
言った方が良い不具合6つ
全ての不具合を事細かに伝えるのは大変です。
そこで本章では、車を売る際に言った方が良い不具合を6つご紹介します。
1.異音や振動
もし車内で異常な音や振動が発生したり、警告灯が点灯した場合、それは何かしらの問題があるサインです。

メーターの警告灯

このような問題は、売却前に業者に詳しく伝えるべきです。
特に細かな故障でも、それが将来的に大きな問題に発展する可能性があります。
2.修復歴や事故歴
車の骨格部分が一度でも修理された経歴がある場合、それは「修理履歴」として申告すべきです。
例えば、駐車場での軽度な衝突でも、フレームが損傷した場合は修理履歴が生じます。
ただし、ドアやエンジンといった取り外し可能な部分の修理は、修理履歴には含まれません。
とはいえ、軽微な修理でも査定員は塗装の被膜を測る機械を持っているので見つけることができます。

修理した箇所は塗装の厚さがほんの少し異なります
修復歴に当たらない箇所は、しっかり直してあれば減額されることはありません。
正直に「ここはぶつけて直したことがある」と言うと誠実さをアピールできます。
3.水没歴
もし車が過去に水害に遭い、冠水した経験があるならば、それは売却時に申告すべき重要な情報です。
見た目には分かりにくいかもしれませんが、水に漬かることで車の内部の部品は腐食や酸化が進む可能性があります。
これにより性能の低下や、最悪の場合、車が動かなくなってしまう可能性があります。
4.メーター交換歴
走行距離メーターが一度でも交換された経験があるならば、その事実は業者に伝えるべきです。
なぜなら、交換後のメーターは実際の走行距離よりも少なく表示される可能性があるからです。
もし不具合などによりメーターを交換した経歴があるなら、その際に発行された書類を一緒に提出しましょう。
5.パーツ交換歴
純正パーツの有無は、車の価値を大きく左右します。
社外品を使用してカスタマイズを行っている場合、純正パーツを保管しているなら、それを持って査定に行くことをおすすめします。
無理に自分で取り付ける必要はないので、一緒に持っていくことが大事です。
6.日頃のメンテナンス状況
1年点検をはじめとする定期点検を受けていれば、その明細などは一緒に提出しましょう。
もし日頃あまりメンテナンスをしていないようなら、それも正直に伝えるべきです。
車検のときしか点検をしていないのか、1年点検も受けていたのかは査定結果が変わります。
何より大切なのは、あなたが業者に提供する情報の真実性です。

不適切な情報を提供することは避けましょう。
修復歴を聞かれなかったらセーフ?
いいえ、修復歴は、売却時に非常に重要な情報であり、聞かれなかったから答えないというのは通用しません。
もし修復歴を隠して車を売却し、後にその事実が明らかになった場合、瑕疵(かし)担保責任という法的責任が問われる可能性があります。
修復歴は車の価値に直結する情報であり、買取業者や新しい所有者にとって重要な判断材料です。
車の骨格部分の交換や修理の履歴は、車の安全性や耐久性に関わるため、正直に申告することが求められます。
隠してしまった場合、将来的にその車で問題が発生した際に、売却時の隠蔽が原因となったとされれば、売主としての信用失墜や法的な問題に繋がる可能性もあります。
したがって、修復歴は業者から聞かれなくても、積極的に伝えるべき情報であると言えるでしょう。
車を売却後にクレームになる?

はい、売却後にクレームになる可能性があります。
車を売る際には、売主は瑕疵(かし)担保責任を負います。
これは、売られた商品が契約時に想定した通りの品質を有していることを保証する責任のことを指します。
したがって、故意に重要な情報を隠して車を売った場合、その事実が後に発覚した時点で瑕疵担保責任に抵触する可能性があります。
特に車の修復歴、不具合箇所、冠水歴などは、車の価値に大きな影響を及ぼす重要な情報です。
これらを隠して車を売った場合、買い手は「契約時に想定した品質」と異なると主張して売却取り消しや賠償を求めることが可能となります。
このようなトラブルを防ぐためにも、車を売る際には、修復歴や不具合箇所、冠水歴などの情報を正直に申告することが求められます。
減額請求もあり得る
もし修復歴を隠して車を売ったら、下がった価値の分だけ減額請求される可能性があります。

具体的には、修復歴車となった場合の差額を請求されるでしょう。
また買取業者が「この車はいらない」となった場合、査定にかかった費用や買い取ってから整備した際の費用などを請求される可能性があります。
ここまでの解説からも、不具合を隠して売ることになんのメリットもありません。
次章では、不具合を言わないと査定員がどう思うのかご紹介します。
不具合を言わないと査定が厳しくなる
車の査定時には、必ずと言っていいほどアンケート調査があります。
そこでは過去の修復歴や事故歴を聞かれることもあります。
思い当たる不具合などを聞かれることもあるでしょう。
実際に不具合を言わなかったとしても、バレずに最後までやり過ごせるなら結果として得をします。

しかし査定員はプロ
どこをチェックすればいいのか、しっかりと知識を蓄えているのです。
そこで不振な点を見つけたら、間違いなく「過去にぶつけたりしました?」などと質問をするはず。
その際にウソをついたら、査定員はあなたのことを「不誠実な人」と判断するでしょう。

査定員のスキルであれば、不具合は明白になります。
あなたの証言と一致しなければ「他にも不具合を隠されているかもしれない」と感じ、より一層査定が厳しくなります。
それにより、本来なら見過ごされていたところも見つけられてしまい、マイナス評価をつけられる可能性があります。
不誠実な人と思っている人の車にプラス査定をすることはなく、査定基準価格から機械的にマイナス箇所に応じた減額をされるだけ。
結果的に厳しく査定されたあなたの車は、相場よりも高くなることはありません。
逆に不具合を正直に全て伝えれば、誠実な人として小さな欠点は見過ごされる可能性があります。

査定員も人だからね
何度もお伝えしているように、不具合を言わないことにメリットはありませんので、車を売る際には自分の車の状況を詳しく伝えましょう。
不具合がある車でも高く売る方法
不具合がある車を売却する際、不具合を隠して売るのは避けましょう。
逆に、その不具合を明確に伝えた上で、複数の買取業者に査定を依頼することがお勧めです。
なぜなら、買取業者はそれぞれ異なる査定基準を持っており、全ての業者が同じ不具合を同じ程度に問題視するわけではないからです。
例えば、特定の機械的な不具合は、ある業者にとっては大きなマイナス要素となるかもしれませんが、別の業者にとってはそれほど問題とならないかもしれません。
また、某業者が修理の経験やノウハウを持っている場合、他の業者よりも不具合のある車に対する査定額が高くなることもあります。
そのため、ウソをついて何かを隠すのではなく、誠意を持って車の状態を伝え、複数の業者による査定を受けることで、不具合のある車でも最高の買取価格を引き出すことが可能になります。
参考【見積書を公開】車買取は相見積もり必須!36万円高く売った手順や方法を紹介
複数の買取業者の査定を受けるなら、車の一括査定サービスがおすすめです。
一度の申込みで複数の買取店に査定依頼できるので、簡単に自分の車を多くの業者に査定してもらうことができます。
こうしたサービスを活用することで、買取業者間の競争を利用し、車を最高額で売却することが可能になります。

まとめ
- 車を売る際に不具合を言わないと結果として損をする
- 隠して売ったら後でクレームに繋がる可能性がある
- 特に修復歴は言わないと瑕疵担保責任に問われる
- 不具合を隠すことで不信感を抱かれ、査定で厳しくチェックされる
- しっかり不具合を伝えた上で複数の買取店で査定を受ける方が良い
コメント