筆者は基本的に中古車しか買わないのですが、毎回大小問わず必ずトラブルに見舞われます。
「安心できる中古車などない」が持論だったのですが、安心できる中古車はありました。
本記事では、認定中古車の知られざる世界を赤裸々にご紹介します。
高いイメージがある認定中古車ですが、実は全然そんなことはありません。
筆者が買った認定中古車を、即買取店で査定してもらった結果もご紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
まずはネットを使って車を選べば、全メーカー・全車種から自分にピッタリの1台が見つかります。
認定中古車はやめとけと言われる理由
ネットで「認定中古車はやめとけ」と言っている人の意見を分析すると、大体「高い」という意見に集約されます。
しかし何と比較して高いのか?実際に高かったのかを掘り下げて調べてみると、誰も具体例を出して批判していないのです。

つまり憶測…?
筆者はメルカリで激安中古車を買い漁るのが趣味なので、日常的に中古車を買っては売っています。

筆者が購入した歴代の中古車
良かった車もあれば、買ってから修理代ばかりかかる車もあり、中古車はそれなりの知識があっても難しいと感じています。
そこで本記事では、実際に認定中古車を購入してみて、半年ほどかけてレビューを実施。
その結果、認定中古車こそ掘り出し物の宝庫と言えるという結論に至ったので、その経緯をご紹介していきます。
ディーラーの認定中古車が掘り出し物ばかりな理由
1.自社の管理顧客が乗っていた車だから
ディーラーには管理顧客と呼ばれる、そのお店で新車を買ってメンテナンスを受けているお客様がいます。
俗に言う”ディーラー言いなりメンテ”というものを受けている人たちであり、高価で高品質なディーラーの整備を常に受けている上客と言える人たちです。
ディーラーの認定中古車というのは、こうした”上客”が乗っていた車を中古車として販売しているケースがほとんど。
5年ごとに買い替えるお客様なら、ディーラーは5年ごとに自社で管理していた中古車が手に入ります。
自社買取だからこそ、中間マージンを上乗せすることなく「ダイレクト販売」するため、安価で高品質な中古車を提供できるのです。
2.ディーラーの保証がつくから
認定中古車のほとんどが、ディーラーによる保証が付きます。
自社の管理顧客が乗っていた車というのは、新車時からそのディーラーがメンテナンスを担当します。
日々のオイル交換はもちろん、油脂類の交換や定期点検なども完璧に受けています。
中古車の質を左右するのは、日頃からどれだけメンテナンスされてきたのかに尽きます。
こうした車は10年15年と乗っても全然壊れる心配がないため、ディーラーも積極的に保証を付けて販売します。
実際にディーラーのお客様の事例で、定期メンテンスを受け続けた結果、20年40万キロ走行した人までいました。
3.入念に整備されているから
入念な整備というものには、リコール対応やサービスキャンペーン対応も含まれています。
リコールやサービスキャンペーンの対応はディーラーが担当することが多く、ディーラーに入庫していない車は未対応なケースも多々あります。
特にリコールというのは車の品質に関わる重大な欠陥なので、対応しないまま乗り続けていた中古車は品質的にも不安が残ります。
しかしディーラーでメンテナンスを受けていた車であれば、こうした対応も十分にされています。
4.ディーラーは中古車で利益を取ろうとしないから
ディーラーの目的は新車を販売することで、収益の中でも一番大きな割合を占めると言われています。
ディーラーの収益の内訳は、営業マンが解説してくれている記事があるので参考にしてください。
一般的な中古車販売店は、当然ですが中古車販売で利益を上げる必要があります。
そのため販売する中古車にもそれなりの利益を乗せますが、ディーラーの場合は暴利を得ようとは考えません。
自社のお客様が新車を買う際に下取りした車というだけなので、仕入れ価格程度で売れればいいと思っているのです。
そのため、筆者が実際に購入した認定中古車も、買ってすぐに査定に出したら買った値段に匹敵する価格がつきました。
詳しくは「認定中古車は高いはウソ!買ってスグ査定に出した結果」をご覧ください。
実際にホンダ認定中古車を買ってみた
数々の中古車購入で失敗してきた筆者ですが、今回はディーラーで認定中古車を購入してみました。

筆者が購入した認定中古車
居住エリアのホンダカーズで販売されていた車で、年式の割に走行距離が多いことを除けば比較的安価というのが購入の決め手でした。

保証がついてるから走行距離が多くても安心でしょう!
購入のフローはディーラーで新車を買うときと同じで、新車同様の見積書を作ってくれるので安心感がありました。
見積書のチェックポイントは「見積書はココを見る!要チェックポイント」で詳しく解説しています。
また、コーティングや内容のわからない保証サービスなどを勝手に付けられることがないというのが良い点と感じました。

ディーラーだから”怪しい点”が一切なかったよ
値引き交渉もOK!タイヤが無料になった
認定中古車は値引き交渉ができないと思っている人もいるかもしれませんが、常識の範囲内であれば値引き交渉が可能です。
中古車は基本的に値引きができないので、新車のような「数十万円値引き」というものはありません。
しかし、値引き交渉をすること自体はNGではないので、商談成立間際のタイミングで打診してみるのも良いでしょう。
筆者は交渉の結果、新品タイヤ4本に交換してもらえることになりました。

認定中古車の納車の様子
契約から1ヶ月後には、車検を取得して我が家に認定中古車が納車されました。
認定中古車は高いはウソ!買ってスグ査定に出した結果
読者の皆様が気になるのは、認定中古車はどれくらいディーラーの利益が乗せられているかということではないでしょうか。
そこで筆者は、納車された認定中古車に乗って複数の買取店で査定を受けました。

査定の様子
その結果、乗り出し212万円で買った筆者のステップワゴンの査定価格は200万円となりました。
一括査定 | オートバックス | カーセブン | |
査定価格 | 191万円 | 177万円 | 180万円 ※交渉次第で200万円 |
最も高値だったのは一括査定の191万円ですが、カーセブンの担当者が「すぐに手放せるなら200万も視野に入る」と言っていました。
査定を受けたときの様子は、下記で詳しくご紹介しています。
カーセブンの担当者は会話の中で、「きっとディーラーはお客さんから190万円ほどで仕入れているはず」と話していました。
ディーラーは仕入れ価格に整備費用と若干の利益を乗せて販売しているというのは「ディーラーは中古車で利益を取ろうとしないから」でご紹介した通りです。

今回の結果はそれを証明することになりました
ディーラーの認定中古車が安い理由
ディーラーの認定中古車は、ほとんどが自社のお客様が乗り換えの際に売却した車両です。
そのため仕入れにかかるコストがなく、いわゆる”中間マージン”というものが発生しないのです。
一般的な中古車販売店は、業者オークションと呼ばれる専門のオークションを使い、販売する車を仕入れます。
業者オークションを使うためには利用料はもちろん、車の輸送費なども発生します。

当然その”コスト”は販売価格に上乗せされます
筆者が乗り出し212万円で買った認定中古車は、仕入れ価格が相場通り190万円なら、整備費用の18万円を考慮すると利益は4万円です。
それでも、ディーラーは新車販売のために下取りした車を損せず売却できているので十分なのです。
冒頭で「認定中古車は掘り出し物の宝庫」とご紹介しましたが、まさにこのケースに該当しています。
17万円の修理代がタダ!認定中古車の保証は超お得
どれだけ整備されていたとしても、中古車は突然壊れます。
特にオーナーが変わった直後は、乗り方が変わるので故障も出やすくなります。
筆者が購入したステップワゴンも、購入から1ヶ月後にエンジンから異音がする不具合が発生。
すぐさまディーラーに持ち込んだところ、大掛かりな修理が必要らしく約17万円の見積もりを出されました。

約17万円の修理見積書
保証がない中古車であれば、納車日以降に出た不具合は全額自己負担となります。
しかし認定中古車はディーラーの保証がついているため、筆者の車も約17万円の修理代が無料になりました。

揉めることも一切なく「保証で修理しますね」で終わったよ
以前個人売買で中古車を買った際には、半年で約30万円の修理代がかかりました。
こうしたケースでも修理代がかからないということを考えると、認定中古車は多少高くても結果的にお得になる可能性があるのです。

筆者はこの一件で認定中古車が大好きになりました
メリット盛りだくさんの認定中古車ですが、当然デメリットもあるので次章でご紹介します。
認定中古車のデメリット3つ
1.ディーラー認定中古車以外はメリットがない
認定中古車といっても、「どこが認定しているのか」というのは非常に大事です。
認定中古車は高品質というイメージがついているので、悪質な中古車屋などは勝手に”認定中古車”という称号を与えているケースもあります。

最低でも以下3点は確認するようにしましょう
- 正規ディーラーかどうか
- 第三者機関の鑑定書があるかどうか
- 保証はついているかどうか
最も確実なのは、正規ディーラーが第三者機関の鑑定書と保証を付けて販売しているケースです。
これは間違いなく高品質な中古車であり、多少割高でも購入する価値は十分あります。

レクサスの「CPO」がそれに該当します
しかしただの中古車屋が鑑定書も保証も付けずに”認定中古車”として販売している場合は注意が必要です。
参考【店員が暴露】修復歴や水没車を隠して販売する悪質な中古車屋の見分け方
2.古い車は認定中古車で見つかりにくい
認定中古車は車種選択の幅が狭いというのがデメリットです。
認定中古車として販売されるのは、比較的新し目の車種に限られます。
ほとんどが、モデルチェンジにより買い替えた際に下取りした旧型のモデルが多いでしょう。
参考【現役営業マン解説】車を買うならフルモデルチェンジ前後のどっちがおすすめ?
そのため初度登録年から5年以内の車が多く、少し古い車は認定中古車としては市場に出回りません。
車は古くなればなるほど故障のリスクが高まるため、保証を付けて販売する認定中古車には向かないのです。
3.新古車を認定中古車として売ってる場合は割高
新古車を認定中古車として販売している場合、少し割高になるというデメリットがあります。
ディーラーには、新古車と呼ばれる走行距離10km程度の中古車が存在します。

登録済み未使用車ともいいます
こうした車は、登録台数を水増しするためにディーラーが自社で購入し、全く乗らないまま中古車として放出するのです。
新車より1割程度安いこと、すぐに納車が可能なことから一定の人気があります。
ただ、新車より1割安いくらいなら認定中古車のメリットがあまりなく、それなら新車を買った方がいいという考え方もあります。
残クレの登場で認定中古車の質が上がった
最近は新車の価格も上がっており、残クレという買い方も登場しています。
当サイト編集部のディーラーマンが働いている職場では、約5割が残クレを利用しているようです。
実は残クレの登場こそ、認定中古車の質が上がった理由と大きく関係しているのです。
1.残クレは走行距離が制限されている
残クレで買った車は、月間1,000km〜1,500km程度の走行距離制限が課せられています。

残クレの走行距離制限の仕組み
一般的なローンで買った車は、購入後に何キロ乗ろうが買った人の自由です。
しかし残クレは走行距離制限を超えると超過料金を取られてしまうので、ほとんどの人がその範囲に収まるように車を使います。
つまり、ディーラーからしたら残クレの車が下取りで入ってきたら、走行距離が少ない中古車を手に入れることができるのです。
2.残クレの車はディーラーでメンテナンスを受ける
残クレで買った車はメンテナンスにも制約があり、基本的にディーラーでメンテナンスを受けるように決まっています。
中には残クレにメンテナンスパックがついてくるものもあり、ディーラーが長期間にわたり管理し続けられる仕組みになっています。
メンテナンスパックに入っていれば定期的にディーラーに入庫することになり、常に点検整備を受けることになります。
つまり残クレ契約期間が切れて車を手放した際には、ディーラーは定期メンテンスされていた中古車が手に入るのです。
3.期間が終われば買い替えるので質の良い中古車が手に入る
残クレ契約は3年または5年となっており、多くがメーカーの保証期間が切れたタイミングで終了するようになっています。
残クレ終了時は「乗り換え、買取、返却」から選ぶことになっており、大体の人がそのまま次の車を残クレで購入します。

残クレの仕組み
このタイミングでディーラーは車を引き取ることになり、走行距離が少なくメンテナンスが行き届いた車を手に入れることができます。
それを認定中古車として再び販売すれば、高品質な中古車を高く売ることができて一石二鳥というわけです。
残クレの登場により、程度の良い中古車が増え、結果として認定中古車の質が上がったという仕組みです。
新車?認定中古車?どっちがいいか迷ったら
新車がおすすめな人
自分で好みの仕様にオーダーしたい人
中古車はすでにある仕様のものを買わないといけませんが、新車は全ての仕様を自分の好みでオーダーできます。
ボディカラーや内装の色、メーカーオプションまで全て自由に決めたい人は新車がおすすめです。
中には新車時にしか付けられない仕様(寒冷地仕様など)もありますので、そうした装備を選ぶ人は新車一択となるでしょう。
予算が十分にある人
予算が十分にある人は、あえて認定中古車を購入する必要はありません。
新車の方がキレイで高品質なのは当然なので、新車で好きな車を買うのがおすすめです。
特に、傷や臭いのストレスがないというのは新車の大きなメリットだと思います。
詳しくは「現役ディーラーマンが新車をおすすめする理由」でご紹介しています。
日頃あまり車に乗らない人
普段あまり車に乗らない人は、新車を買ってもそんなに市場価値が下がることはありません。
新車は乗れば乗るほど価値が下がるため、走行距離が多くなる人は手放すときに安くなってしまいます。

年間の走行距離が8,000km未満の人は、売るときにも値段がつきやすいでしょう!
走行距離と査定価格については、ディーラーの査定基準「走行距離」で詳しくご紹介しています。
新車であれば保証がしっかりついているので、故障したときの修理費用もかかりません。
たまにしか乗らない人ほど、壊れにくい新車がおすすめです。
認定中古車がおすすめな人
中古車だけど安心できる車を選びたい人
中古車選びは失敗すると、質の悪い車を掴まされる可能性があります。
特に水没車や冠水車などは告知義務がないため、知らずに買ってしまったら不具合に悩まされることになります。
詳しくは「水没車や冠水車は告知義務がないから買ってしまったら終わり」で解説しています。

最近は水害も多く、この手の相談件数は増えています
こうした粗悪な中古車を見分けるのは難しいため、保証がしっかりしているディーラーの認定中古車をおすすめします。
すでにご紹介した通り、ディーラー認定中古車は自社のお客様が乗っていた車を再販しているケースが多いため、こうした粗悪な中古車は販売しません。
予算に限りがあって、「購入できるのは中古車だけど安心できる車がほしい!」という方は認定中古車がおすすめです。
車を頻繁に使う人
車を頻繁に使う人は、新車を買うとあっという間に過走行になり査定価格に影響してしまいます。
とはいえ、頻繁に使うので中古を買って出先で故障するのも困るはず。
そういう方こそ、品質が高く万が一故障しても保証で直してもらえる、認定中古車がおすすめです。
新車に比べて購入価格を抑えられるので、走行距離が多くなっても”乗り潰す”という選択ができます。
過去に中古車で痛い目に遭った人
中古車を買って過去に失敗した人は、保証が充実している認定中古車がおすすめです。
筆者は過去に何台も中古車を買っていますが、何十万円もの修理代が発生した経験があります。
まとめ
- 認定中古車は高いというのは誤りで、実はとてもお買い得
- 自社のお客さんが乗っていた車が多く、整備履歴もハッキリしている
- 自社買取、自社販売なので一般的な中古車販売店より安い傾向がある
- 認定中古車は正規ディーラーのもの以外は名ばかりの可能性があり注意
- 新車と認定中古車で迷ったら予算と乗る距離で決めるべき
\車がもらえるカーリース/
MOTAカーリースは
✔頭金0円、初期費用なし
✔走行距離制限なし
✔オイル交換、車検無料クーポン
✔最後は必ず車がもらえる
カーリースなのにカスタムOK
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どれだけ乗っても追加精算ナシ!
当サイトから最も申し込まれているカーリースです
よくある質問
認定中古車のデメリットは?
「ディーラー認定中古車以外はメリットがない」「古い車は認定中古車で見つかりにくい」「新古車を認定中古車として売ってる場合は割高」の三点です。
認定中古車はやめとけというのは本当?
筆者は認定中古車こそおすすめします。やめとけというのは「高いから」というのが理由ですが、実際は全然高くありません。詳しくは「認定中古車は高いはウソ!買ってスグ査定に出した結果」をご覧ください。
認定中古車はどこで買う?
認定中古車は正規ディーラーで販売しています。各メーカーのホームページで紹介していることもありますが、ディーラーの店頭に並んでいるケースもあります。ディーラーで探している車の条件を伝えれば在庫を検索してくれます。
認定中古車と新車どっちがおすすめ?
予算に余裕があれば新車、余裕がないけど安心できる車が欲しいなら認定中古車がおすすめです。詳しくは「新車?認定中古車?どっちがいいか迷ったら」をご覧ください。
売るかどうかは決めてない、値段を見てから決めたいというときに、買取店まで査定に行くのは面倒ですよね。
車の買い替え、週末に動き出すなら

筆者はMOTA車買取でディーラーよりも30万円以上高く売れました。
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