車のモデルチェンジは2種類ある!フルモデルチェンジとマイナーチェンジの違いを解説

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自動車業界では、新型車が登場する際には主に2つのタイプの変更が行われます。

一つは大規模な変革をもたらす「フルモデルチェンジ」であり、もう一つは既存のモデルを進化・改良させる「マイナーチェンジ」です。

この記事では、元自動車メーカー開発員の私が、これらの違いを図解でわかりやすくご紹介していきます。

マイナーチェンジとフルモデルチェンジの違い

マイナーチェンジとフルモデルチェンジの主な違いは、変更の範囲と深さにあります。

マイナーチェンジは「改良」で、フルモデルチェンジは「進化」というイメージです。

それぞれで変更されるものを一覧表にしました

マイナーチェンジ フルモデルチェンジ
外装デザイン
内装デザイン
装備品
エンジン
安全運転支援システム
車の構造

マイナーチェンジは、既存のモデルに対して小規模な変更が行われ、全体としては軽微で、大きなデザイン変更や技術の根本的な更新は行われません。

一方で、フルモデルチェンジは車両のモデル全体が根本的に見直され、車両型式が変更になるほどの大規模な変更が行われます。

マイナーチェンジとは

マイナーチェンジで変わるもの

  • 外装の一部
  • 内装の一部
  • 装備の追加
  • ボディカラーの追加/廃止

マイナーチェンジとは、一般的に既存のモデルに対して行われる小規模な変更やアップデートを指します。

主に内外装の一部改良、一部機能の追加や向上が実施されます。

ボディーカラーの追加なども行われるよ

新型車として発売された車は、2年も経てばライバル車が軒並みモデルチェンジしている影響もあり機能的に見劣りしてしまいます。

こうしたマイナス要素を払拭するために行うのがマイナーチェンジで、ベースとなる車両の基礎を刷新することはありません。

マイナーチェンジは2〜3年に一度行われるのが一般的です。

フルモデルチェンジとは

フルモデルチェンジで変わるもの

  • 外装デザイン(別物になる)
  • 内装デザイン(別物になる)
  • エンジン性能
  • 走行性能
  • 安全運転支援システム
  • 新機能の追加

フルモデルチェンジとは、車両のモデルを根本的に見直し、大規模な変更や進化を目的として行います。

内外装はもちろん、パワートレインや安全・快適装備などを一新し、車両型式も変更され、まさに別の車へと生まれ変わります。

車のデザインが大きく変わるので、車に詳しくない人が見ても変化がわかるのがフルモデルチェンジです。

フルモデルチェンジは5年周期で行われるのが一般的です

マイナーチェンジで変わるもの

具体的にマイナーチェンジでは何がどこまで変更(改良)されるか紹介します。

外装デザイン

まずは外装のデザインです。

主にグリルやテールライトなどの形状、フォグの有無などが小変更されることがあります。

その車に乗っている方ならその変化にすぐ気が付くかもしれませんが、そうでない方だとわからないレベルです。

内装デザイン

内装は意匠性などを一新することはあまりなく、メーターパネルやUSBポートなど快適部品の追加が主な変更点になります。

装備品

装備品に関しては、ナビがグレードアップしたり、ヘッドアップディスプレイが追加になったりします。

できるだけ車が古臭ならぬよう、マイナーチェンジ時点の最新装備を小規模で追加します。

ボディカラーの追加/廃止

ボディカラーは流行があるので、マイナーチェンジで新色が追加されたり不人気色が廃止になったりします。

「白・黒・シルバー」などの基本カラーも、色味が変わるケースもあります。

どれも些細な変更なので「マイナー」チェンジと呼ばれています

フルモデルチェンジで変わるもの

では、マイナーチェンジと同様に、フルモデルチェンジではどのような変更(進化)がなされるのか紹介します。

車の構造

※画像:トヨタ自動車公式サイトより

フルモデルチェンジは、そもそものフレームやシャシー形状の設計から変更されます。

フレームやシャシーを変更することにより、ハイブリッドシステムを搭載できたり電気自動車にできたりします。

マイナーチェンジでは実現できない大掛かりな新機能追加も、構造から変更するフルモデルチェンジなら可能になります。

主に安全運転支援システム系です

またフルモデルチェンジは、世間のニーズに併せてその車両の持っていたコンセプトから見直されます。

セダンがSUVに変わってしまった、クラウンなどは記憶に新しいかと思います。

フルモデルチェンジでコンセントが変わったクラウン

場合によっては全長や全幅等も大きく変更され、まるで別の車になることもあります。

エンジンやトランスミッション

フルモデルチェンジのときは、各メーカーが最新のエンジンを搭載します。

その車種のために設計することもあれば、多くの車種に搭載されているエンジンをチューニングすることもあります。

大抵の場合、燃費をはじめとする性能が向上されています。

また、それに合わせてトランスミッションも新開発のものが搭載され、燃費性能や走行性の向上に一役買っています。

最近ではPEVやハイブリッドなどの電動車が追加されることもあり、ガソリンエンジン搭載モデルが消滅するケースもあります。

外装デザイン

外装は大抵の場合、誰でもその変化に気付く程変更されます。

フルモデルチェンジは5〜7年周期で実施されるため、世の中の流行やトレンドが大きく変わっていることがほとんど。

その時代やライフスタイルに合わせてデザインを変えるため、車種によってはまるで別物のように変わってしまうケースもあります。

また、メーカーによっては、ひとめ見ただけで自分たちのブランドであることがわかるよう、フロントマスクに統一感を持たせたりすることもあります。

デザインが大きく変わったエクストレイル

例えば日産「エクストレイル」は、車体デザインは大きく変わりましたが、フロントグリルの意匠は前モデルを踏襲しています。

これは日産が全車種に展開している「Vモーショングリル」と呼ばれるもので、ひと目で日産車とわかるという効果があります。

形は変わってもフロントの意匠は面影が残っていることもあるよ

内装デザイン

内装のデザインも、フルモデルチェンジでは大きく変更されます。

マイナーチェンジでは変更できないような箇所も、フレーム形状から刷新されるフルモデルチェンジなら変更が可能になります。

シートの形状やハンドルやペダルの位置なども、疲れにくくなったり運転しやすくなるよう調整されるのが特徴です。

外装に比べ内装が大きく変わった新型N-BOX

新型N-BOXは、外装デザインはキープコンセプトでしたが内装デザインは大きく変更されています。

メーター位置を下げてインパネを水平にすることで、前方視界を大きく向上させています。

こうした変更ができるのはフルモデルチェンジならではでしょう

安全運転支援システム

フルモデルチェンジの目玉は、安全運転支援システムの進化にあると言っても過言ではありません。

マイナーチェンジでは大掛かりな変更ができないシステムも、根本から変更できるのがフルモデルチェンジです。

誤発進防止システムや横滑り防止システムなど、安全運転に関わるシステムが追加される場合があります。

最近はフルモデルチェンジ前後でこの性能が雲泥の差になることもあります

マイナーチェンジとフルモデルチェンジの関係

車は定期的に最新型にフルモデルチェンジされますが、その間を埋めるアップデートが「マイナーチェンジ」です。

新モデルが販売されてから次のモデルへフルモデルチェンジする前に、大体1~2回ほどマイナーチェンジされます。

マイナーチェンジは3~4年のスパン、フルモデルチェンジは5~7年程のスパンで実施されます。

新モデルが発売され、数年後に部分改良を施したマイナーチェンジを実施し、その後、すべてを根本から見直してフルモデルチェンジが実施されます。

マイナーチェンジをする理由

マイナーチェンジをする最大の理由は「商品価値の維持」です。

車は常に進化しており、ライバルメーカーからも毎年のように新車が発売されています。

フルモデルチェンジのスパンは7〜10年程度なので、その間テコ入れをしないとどんどん商品価値が下がってしまうのです。

後から発売される車の方が魅力的に見える

そこで定期的にマイナーチェンジを実施して、商品をリフレッシュしているのです。

フルモデルチェンジには多額の費用がかかり、メーカーも毎年のように行うことはできません。

そこでマイナーチェンジを併用しながら、長く売れ続ける車作りをしているのです。

またお客様からの声を反映する意味もあります

自動車メーカーにとって渾身のフルモデルチェンジであっても、お客様に受け入れられるとは限りません。

メーカーの予想が外れたり、お客様から商品に対する不満が挙げられたり、フルモデルチェンジは完璧ではないケースもあります。

予想が外れるケース

こうした市場のニーズに応えるのも、マイナーチェンジの役割なのです。

フルモデルチェンジは極秘裏に行われるため、一般ユーザーの声は反映されにくいというデメリットがあります。

発売後に一般ユーザーの声を聞き、それを反映するのがマイナーチェンジというイメージです。

フルモデルチェンジの間隔はだんだん長くなってきている

昔は4〜5年に1度行われていたフルモデルチェンジですが、近年では7〜10年ごとになりつつあります。

その理由は主に下記2点です。

フルモデルチェンジの間隔が長くなった理由

車の性能が安定してきた

かつての車はめざましいほどの進化をしており、市場はよりハイパワーで速い車を求めていました。

メーカーもそれに応えるように新開発のエンジンを搭載し、平成初頭はエンジンの馬力を各メーカーが競い合っていました。

しかし近年ではそうしたニーズも少なくなり、車の性能自体もかなり良くなったことと相まって、頻繁にモデルチェンジを繰り返す必要がなくなったのです。

今の車は進化ポイントが安全運転支援システムに集中しており、センサー類やカメラなどが最新であれば車自体は売れ続けます。

マイナーチェンジでこうした部分を手直しすれば、数年おきにフルモデルチェンジをする必要が無いのです。

新規開発には多額のコストがかかる

私は前職で自動車部品メーカーで開発をしておりました。

そこで数々の新型車の開発に携わっていましたが、車の開発は日々複雑になっています。

法規制が年々厳しくなり、それに伴い試験の数や基準がどんどん増えていきます。

ライバル車との競争に打ち勝つため、新たに採用する必要のある機能も増加しています。

車自体の開発というより、ソフトウェアの進化が目まぐるしいのです

こうした時代に合わせていくうちに、自動車メーカーが新しいモデルを開発するには膨大な資金と時間がかかるようになりました。

半導体など高価な部品が使われる近代車

そのため、メーカーはモデルチェンジをより慎重に行うようになり、サイクルを長く取るようになったのです。

こうした背景もあり、フルモデルチェンジの間隔はどんどん長くなりました。

しかしそれでは商品価値が下落していくばかりなので、自動車メーカー各社は「ビッグマイナーチェンジ」というものを実施するようになりました。

ビッグマイナーチェンジとフルモデルチェンジの違い

フルモデルチェンジの間隔が長くなったことで、各メーカーは「ビッグマイナーチェンジ」というものを実施するようになりました。

ビッグマイナーチェンジは、フルモデルチェンジのように車両の骨格までとは言わずとも、通常のマイナーチェンジよりも大規模な変更を施します。

型式変更を伴わないことがフルモデルチェンジとの最も明確な違いです。

ビッグマイナーチェンジは内外装のデザインや装備品の刷新だけではなく、足廻りや場合によってはパワートレインの見直しも図られます。

ビッグマイナーチェンジを受けた車は「後期型」と呼ばれ、その後フルモデルチェンジを行うまで再度マイナーチェンジを受けながら販売されます。

前期後期の違い

一昔前まではフルモデルチェンジが4~5年に一度あったため、そのタイミングでそういった大幅な変更をかけていたのですが、現在は先述した理由からフルモデルチェンジまでのスパンが長期化しています。

ただ、一昔前と同様にそのタイミングでのみの見直しだと、現行モデルが旧態化して競争力が低下するため、ビックマイナーチェンジというものが出現したというわけです。

ビッグマイナーチェンジの例

有名なビッグマイナーチェンジの例を3つほどご紹介します。

ホンダ「ステップワゴン」

2015年に発売された5代目ステップワゴンは、先代モデルよりもスッキリしたデザインで登場しました。

しかしライバル車種は軒並みキラギラ感のあるデザインだったため販売は苦戦。

ライバル車はハイブリッドを搭載しているのに、ステップワゴンはダウンサイジングターボしかラインナップしていない点も販売不振の原因になりました。

そこで発売からわずか2年後、車体デザインを大幅に変更するビッグマイナーチェンジを実施。

待望のハイブリッドモデルも投入し、ライバル車から劣っていると言われていた点をしっかり潰してきました。

5ナンバーミニバンは特にビッグマイナーチェンジが盛んです

三菱「デリカD:5」

2007年に発売されたデリカD:5は、唯一無二のコンセプトで堅調な販売を記録していました。

とはいえミニバンという激戦ジャンルで10年以上も同じモデルを販売するとなると、さすがに商品力の低下が避けられません。

そこで発売から12年が経過した2018年に、ビッグマイナーチェンジを実施。

フェイスリフトだけではなく、内装や先進安全装備も一新されてフルモデルチェンジ並のマイナーチェンジになりました。

その結果販売は再び好調になり、2024年現在もフルモデルチェンジされることなく販売され続けています。

ダイハツ「タント」

2019年に発売されたタントは、ライバルN-BOXに大きく水を開けられている状況を打開するために数々の新機能を搭載してフルモデルチェンジが実施されました。

前モデルのギラギラしたデザインから一転、メッキパーツの使用を抑えた落ち着いたものになり、全世代に受け入れやすい仕上がりとなりました。

しかし市場はギラギラしたデザインのN-BOXやスペーシアを求める結果となり、押し出しの弱いタントの販売は苦戦。

2022年には再びギラギラしたデザインに変更するために、ビッグマイナーチェンジを実施しました。

またそのタイミングで「タントファンクロス」というグレードを新設

アウトドアブームの広がりに合わせて、そのとき市場が求める車をマイナーチェンジで追加したのです。

各社はこうして、市場の動向やお客様の声を聞きながら車作りをしているのです。

じゃあいつのタイミングで車を買えばいいの?

それをこれからご紹介します

どのタイミングで車を買うのがベスト?

自動車メーカー各社は、フルモデルチェンジとマイナーチェンジを併用して常に最新の商品をラインナップするように努めています。

そのためいつ購入しても後悔はないのですが、せっかくだからベストなタイミングで購入したいと考える方も多いはず。

現役営業マンの私は、断然「フルモデルチェンジ後」をおすすめしています

フルモデルチェンジは、車の骨格から全て刷新されます。

そのためマイナーチェンジに比べて変化が大きく、メーカーが社運を賭けた新機能が搭載されることもあります。

こうした最先端の技術を体感できるのは新車購入の醍醐味であり、フルモデルチェンジ直後の最大のメリットとも言えます。

しかし、もし中古車を買うのであれば「マイナーチェンジ後のモデル」を購入することをおすすめします。

詳しくは下記の記事でご紹介しているので、フルモデルチェンジ前後のどちらで車を買うか迷っている方は参考にしてください。

参考【現役営業マン解説】車を買うならフルモデルチェンジ前後のどっちがおすすめ?

まとめ

  • 骨格から変更されるのがフルモデルチェンジ、小改良がマイナーチェンジ
  • フルモデルチェンジは5〜7年、マイナーチェンジは2年ごと行われることが多い
  • フルモデルチェンジの間に実施されるのがマイナーチェンジである
  • フルモデルチェンジ相当の「ビッグマイナーチェンジ」というものもある
  • 近年はフルモデルチェンジの間隔が長くなり、マイナーチェンジの回数が増えている
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